ところで
しぜんに眠たくなって
しぜんに眠る
そんな夢をみながら
ぼくはうたがっている
うたがっているのは
いつだって
あたまではなく
からだだ
ほかのどこにもない
たったひとつの
からだだ
ところでぼくは
うたがうばかりで
生きていけるだろうか
意思もなく
花に吸い寄せられていく
あの蝶々の飛行なくして
ぼくは生きていけるだろうか
あのささやかな陶酔の経路さへなくして
ぼくは生きていけるだろうか
ただ夢みるだけでもいいのだ
しぜんに眠たくなって
しぜんに眠る
そんな夢をみながら
ぼくはのがれがたく
うたがっている