流れている
空とは違うものなのか?
雲とは違うものなのか?
この手の輪郭
なんて鮮明にはっきりと
区切られた
自分
近づけないのか?
触れないのか?
そよ風に
草々も
小さく動いている
なのに
流れないのか?
揺れないのか?
自分
そっと目を閉じて
感じてみる
心のようなもの
外側への
揺らぎの窓
流れている
何かが
親密であたたかい
何かが
明るい集中力
恨んだり
嫉妬したり
軽蔑したり
怒ったり
するのではなく
動かせば
手ごたえがあり
入れ替えれば
手ごたえがあり
造り上げれば
手ごたえがり
発見すれば
手ごたえがあり
そして黙って何もしていなくても
手ごたえがある
そんな
世界と自分との
シンプルな関係
明るい集中力
ああ、この人間なるもの
ああ、この人間なるもの
せつない盲目の情熱
寂しいきれぎれのエナジー
泣きながら意志するもの
もだえながら意志するもの
ああ、この人間なるもの
夜の底で
途方に暮れた
目の玉が
夜の底で
わけのわからない涙を垂らして
むやみやたらに
闇に切迫しようとしている
見ろ!
この痛ましい運動を
一体、何の意味があるのだ!
一体、何の意味があるのだ!