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クリエイティブ

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しにたいと思っても

そう簡単にしねない

という理由だけでも

クリエイティブに生きる意味はあると思う

ぼくにとってのクリエイティブとは

現実ではなにひとつ叶えられなかった
自分の欲望のパターンをつかって
なにかを産み出していくこと

自分の欲望のパターンから逃れられると思うのは

身体の否定であり

病気の否定であるような気がする

だからぼくにとってのクリエイティブとは
けして積極的なものではないんだ

「向こう側からやってくるもの」に対して
頭をたれて反応していくような
どうしよもなく消極的なもの

けれどもやまいというのは大抵は
「向こう側からやってくるもの」に対して
人をただたんに打ちのめし
非クリエイティブにするものだから

クリエイティブになんて生きられないよ
って話しではあるのだけれど

かと言ってしねるものじゃないから

しねるものじゃないというその理由だけでも

やっぱりもう

クリエイティブに生きようとする意味は

あると思うんだ







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叫び [想い]


ちょっとしたきっかけで
自分の中の怪物が目覚める。

なんでもないことだと
努力や習慣や認識や技術で
押さえ込み管理してきたものが
突然、いやらしく波立つ。

子供たちが楽しそうにはしゃいで遊ぶ傍らに
アジサイが咲いている。
その茂る葉の深い陰影や
花の暗くくすんだ青の色が
ひどく気を滅入らせる。
そこにさす光のすべてが
空々しく感じられる。

ある全盲聾の学者が言った。

絶望足す意味は、苦悩だと。
苦悩引く意味は、絶望だと。

苦悩は人を生かすが
絶望は人を生かさないと。

意味、、。

難病に侵され、わずかに動く目の動きだけで
意思を伝達していたある人は、病が進行し
その最後の意思伝達手段さへ失われそうになった時に
これ以上の延命治療を拒んだ。

一方で僕の祖母は意思を受け取る、伝える能力を
失った状態でベッドの上で20年近く生きた。

意味を強く強く求める主体。
意味がなくとも生きられる生。
どちらも人間の姿かもしれない。

けれども僕の場合
自分の中の怪物が目覚めるとき
きまって主体の意味の喪失感が
心を乱暴に荒らし
生そのものの尊厳、輝きを奪う。

青空に向かって
まっすぐに顔を上げ
ひまわりが咲いている。

けれども、その根はすでに
汚染されている。

動物でもある人間
自然でもある人間
人間らしさなんて
簡単に打ち砕かれるのかもしれない。

言葉を失なった時
光と闇の中で
生理の真実を
つきつけられる。

老いること。
病むこと。
死に触れること。
そのすべてに心が
蝕まれていくようだ。

生きることは苦しい。

耐えがたい。

だから時には叫びたくなる。

苦しい!と。

ただ苦しい!と。

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他力のエッセンス





ナルシストに


ロマンチストに


ドリーマーになりたい



ただでさえ


病気という


過剰な自然をひきうけているのだから




実存がきりきりと円錐の頂点に向かって凝縮されていき


その圧迫が限界を超えてきわまったとき


こらえていた輪郭がぼわっと崩壊して


あたらしい涙と夢があふれだしてくる



他力のエッセンス


自分に愛されない自分を愛せるということ





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もう、寛容をおしつけまい




もう、寛容をおしつけまい


じぶんにも、たにんにも


いじいじして、うじうじして


もじもじしてるほかない じぶん


もう、寛容をおしつけまい


弱く、哀しい じぶんたち に


天でもあるまいし


性格とか、内面とかやらをこえた


じぶんを縛るじぶん


蛇が蛇でしかないように


虱が虱でしかないように


生理上の態度も


生理上の言葉も


選択の余地のないじぶん



もう、寛容をおしつけまい




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言い聞かせても




言い聞かせても




朝のお茶から


夜のまくらにいたるまで


生活のあらゆる場面において


このことには変わりがないのだ


歯がみする


成長も、逆転も、転換もできず


比喩も使えず、技も使えず

構築もできず、想像もできず


ただ悔しがる


身もだえる


病の苦しさは

どうにもできないということでしかないのだ


自我の発明のなんとやら

自然の本性を知る


病はすべてを相対化する


自分も

他人も


後に残るものは



何も無い


本当に何も無い



存分に苦しもう


病む人よ


意志の彼岸で


泣く人よ




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病む人よ




健康でありさえすれば、と


よく人は言う


じゃあ、健康でなかったら


食料はあっても、食べることができず

家があっても、安らぐことができず

ベットがあっても、眠ることができず

家族がいても、話すことができず

絵があっても、見ることができず

音楽があっても、聞くことができず

文字があっても、読むことができず

脳みそがあっても、考えることができず

こころがあっても、信じることができず

思いがあっても、伝えることができず

手を差し伸べられても、つかむことができず


命があっても、生きることができない



病む人よ、幸いであれ



僕は、この言葉に生きる



真実はいらない



この言葉にだけ



生きる




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ニンゲンシッカク [想い]




これといった考えがあるわけではない


これといった体と病はあるけれど



ただ、この一瞬にかけている


断頭台に首のせて



善も悪もない



乱れた呼吸


いびつな姿勢



技術こそ去れ!



生物の苦しみを見よ!



あ~、もうどうするということもないのだ



どうしようもない事を


どうしようもできずにいるだけの


“もだえ”の在りよう



時間とは生活であると


生活とは心であると


あの人は言うけれど



途方に暮れて


ゆれる葉っぱに


無意志の骨を


あずけちまった


僕は



ニンゲン


シッカク











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悲しい差違 [想い]




病に


人の


音なく


色なく


言葉なく



およそ共感から遠く



あるのは


ただ悲しい


ただただ悲しい


差違



本当に


孤独であるということ


それはけして悠長なことではないのだ



すべてのものが通り過ぎていったあと


あとに残るのは


光の受苦と


もだえる影



あ~、僕には


ともだちが必要なのだ






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大丈夫 [想い]




大丈夫



救いはない


愛はない


許しはない



僕は君のそばにいないし


君は僕のそばにいない



だから大丈夫



悲しみだけを主調低音にして


月に照らされた


よるの葉のりんかくを


ゆっくりとなぞっていく



けして交わることはないし


けして分かりあうこともない



だから大丈夫



大丈夫なことなどひとつもない



だから



大丈夫






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星月夜 [みじかいうた、他]




星月夜いのちばかりの数えうた







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