もう、寛容をおしつけまい
もう、寛容をおしつけまい
じぶんにも、たにんにも
いじいじして、うじうじして
もじもじしてるほかない じぶん
もう、寛容をおしつけまい
弱く、哀しい じぶんたち に
天でもあるまいし
性格とか、内面とかやらをこえた
じぶんを縛るじぶん
蛇が蛇でしかないように
虱が虱でしかないように
生理上の態度も
生理上の言葉も
選択の余地のないじぶん
もう、寛容をおしつけまい
言い聞かせても
言い聞かせても
病
朝のお茶から
夜のまくらにいたるまで
生活のあらゆる場面において
このことには変わりがないのだ
歯がみする
成長も、逆転も、転換もできず
比喩も使えず、技も使えず
構築もできず、想像もできず
ただ悔しがる
身もだえる
病の苦しさは
どうにもできないということでしかないのだ
自我の発明のなんとやら
自然の本性を知る
病はすべてを相対化する
自分も
他人も
後に残るものは
何も無い
本当に何も無い
存分に苦しもう
病む人よ
意志の彼岸で
泣く人よ