手紙
雲の向こうに
消えてしまった君へ
人生は不条理だ
あまりにも
僕を捨てた僕は
もう僕に対して時効だから
素直になにもかもさらけ出すことができる
君を奪われない君よ
どうか聞いてほしい
言葉はあまりにも不完全で
時に君の胸を深くえぐる時もある
だけど、そんなつもりでは言ってないんだ
ただ、がんばるなと
がんばれを言っているんだ
がんばれない僕が
がんばるなと
言葉の届かなくなった君に
がんばれを言っているんだ
お互いに深く傷つき
醜く汚れ、罪を背負ってきた
けれど君だけが
生まれたての赤ん坊のように
なにもかもきれいに洗い清められ
空の彼方へ
旅立ってしまった
人生は不条理だ
あまりにも
君はもう、君に奪われることがない
だけど僕は今ここで
僕に僕を奪われないために
地面をはいずりまわっている
そして、立ち上がる気もなく
立ち上がろうとしている
乾いてひび割れた地面からは
涙のようなものがしみだしている
もうじき僕も君のもとへ行くよ
でも、それまで僕は
ここで闘わないように
闘い続ける
意気地のないやりかたで
こんな在りようを
君は笑うだろうか
ここだけの話
たしかにそうだけど・・・
って気分なんだよ
病気があると、どうしてもね
いわゆる“この世界”に
たしかにそうだけどって・・・
なじめなさを感じてしまうんだよ
でも、そんなキリキリとした思いは
誰にも言えないんだよ
それはもう、空や木々に
受け流してしまうしかないような
痛みで
だからあくまでも、これは
ここだけの話
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コメントをくれた方
ありがとうございます
宇宙に大笑い
秒ごとに
弱く
悲しく
無力に
やまいに尽きれば
ついに体も
ひっくり返って
裏返って
すっからぴんになって
宇宙に大笑い